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椎名林檎とインターネット。

モンスター 【03】

狂人、といえば済む。しかし、ある意味では納得できる人生を送ったのではないか。ここまでの強い気持ちを持てることこそが人間の根本の欲求解放だ。

 

モンスター 百田尚樹

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ざっくりのあらすじは、田舎町で瀟洒なレストランを経営する絶世の美女・未帆。
彼女の顔はかつて畸形的なまでに醜かった。周囲からバケモノ扱いされる悲惨な日々。
思い悩んだ末にある事件を起こし、町を追われた未帆は、整形手術に目覚め、莫大な金額をかけ完璧な美人に変身を遂げる。そのとき亡霊のように甦ってきたのは、ひとりの男への、狂おしいまでの情念。

小説はあまり読まないけれども。これまた偉い作品だ。テンポよく読めて500ページ強ぐらいあるが3-4時間で読めるし気持ちが良い。内容は賛否両論だとは思うけども、美に対する執念が美しく儚い。「奇麗になったら幸せになれるのか?」が本質的な内容。これはこれで一つの正解だろうし。良い結末。女性が美に取りつかれることは歴史上普遍的な欲求なことは証明されてるし、求めれば求めただけリターンは生まれるものだしきっと楽しいだろうな。

「男は目でセックスする」って言葉が出て着た通り。見た目が良ければ選ばれることも多くなる。モンスターと呼ばれていた人が誰もが羨む美女になるまでにいくつもの選ばれるシーンがあるのだけどその過程が面白い。主人公は歪んでいるけども、それは逆に誰よりも純粋なのかもしれないね。

 

美しさは時に女性も男性も狂わすのね。

 

整形が仕上がった姿が美しいじゃなくて、其処までの振り切れる思想と行動力が最も美しいと感じたけどね。そして男を狂わすことが出来る女の人ほんと好き。主観です。