椎名林檎のひょっとしてレコ発を味わった。
人は二度死ぬ。
一度は生命が失われたとき。
もう一度は椎名林檎のライブを見たときだ。
椎名林檎のライブが終わったときは何故に人が死ぬか。
単純に言葉を失い、思考が止まり、我を忘れるからだ。
『(好きすぎて目の前で実演している姿を見ることで辛すぎる故に) 椎名林檎しんどい・・・』
という言葉しか発することができないような輩はヒトとして存在しているに値するだろうか。
否、しない。故に死んでいる。
此処が帰る場所の証。
2017年11月に突然のツアー開催発表がされた「ひょっとしてレコ発」
きっと多くの愛好家が思ったであろう。
「え???え?ええええ?なにこのポップなアイコン」
百鬼夜行からの大幅な路線変更。
戸惑いが隠せない。
え?椎名キュート系なん?何でアニメ調?色々どうした?
というかレコ初?何か出すの?
え?
セルフカバー第二弾?
また提供した曲を自分で歌っちゃうの???
そして今から少女ロボット歌うの?
東京事変で出してるじゃん??
反則じゃない?
今更シーナ・リンゴ名義の曲を椎名林檎で歌うの??
確かに少女ロボットは【ジャスキャン < 座禅】派だけど??
寧ろそこは日本に生まれてとかでどう??
という気持ちのもと、「逆輸入~航空局~」の発売と「ひょっとしてレコ発」が発表されて2017年の年末はざわついた。
心をかき乱されて死んだ。
椎名林檎が動かない時期には他の音楽に目移りする事もあった。
しかし、一つのビックニュースで心を鷲掴み。
ああ。此処が帰るべき場所なんだ。
不安は抱えながらも期待値を超えると信じれる椎名林檎
ツアーが発表されてからの高揚は尋常じゃない。
なにせ百鬼夜行から約3年ぶりだ。
展開に感情が追い付かなかったのだ。
凡才肌とか完全にノーマークでのスタート。やさしい哲学の歌詞めっちゃくちゃ良すぎない?
え?迷彩めっちゃ良い・・・。
え?Σやるの?嘘だろ?
お祭り騒ぎからの長く短い祭りの繋がり方の絶頂感。
美しく、完成度の高さに心の興奮が収まらなかった。
そして何よりアンコールの虚言症にて。
やっぱり死んだ。
懸念の点は、逆輸入のツアーだからきっとアルバムからの曲を多くやるのであろうか。
椎名林檎と彼奴等の居る真空地帯が始まった
セットリストの紹介や演出を細かく伝える気は無い。そんな記憶力も良くないし。
ググれば沢山出てくる。
此処は個人的な想いをつらつらと書くチラシの裏なのだ。
照明が落ち、ロケット発射台の映像。
そして画像は【3:00:00】
始まる。
遂に目の前で実演する椎名林檎が。
演出はもうVJの素材ありきの演出。全面的に児玉氏の協力があるのでしょう。
案の定、セットリストはセルフカバー多め。
そんな中、ギブスを歌い、意識に繋げた瞬間の感動が第一次ピークであろう。
そして枯葉と眩暈でも一気に苦しくなった。
そして何より静かなる逆襲唄う椎名林檎がとても・・・・良い。
賛美を表す言葉が尽きるほどに思いもしない曲が流れてきた。
ギブスや意識、弁解や枯葉など此処にきて聞けるとは思えなかった。
そして何よりギターを低めに持ち、かき鳴らす椎名林檎を見たときに全てが吹き飛んだ。
その姿は、目に焼き付いて離れない。
最高過ぎる。
何よりも好きな椎名林檎であり、心が動揺した。
終演を迎え、椎名林檎が実在する人であり今日も酔わせてくれる存在であった。
約3年ぶりに見た実在する椎名林檎をを見て心が死んだ。
心肺停止。ありがとうございました。
実演を終えて
親しい友人が放った言葉が忘れられない。
「椎名林檎の人生、生涯を見ているようなセットリストだった」
ああ。凄い解釈だ。
人生は思い通りで始まって、ギブスや意識を通り、おとなの掟を覚え、静かなる逆襲を得て、孤独のあかつきを知り自由へ道ずれして、人生は夢だらけで終わる。
16できっと人生は思い通りになると夢にみて室見川を出た少女は、多感な時期を経て苦悩や希望、孤独やを儚さを超えて40にして人生は夢だらけと言える。そんな素敵な大人の女性への人生を歩んでいる。
そう解釈した。友人に言葉の真意は確かめてないが。
実演に対して個人の感想は多々ある。肯定的な面も否定的な面も。
そういう意味では少しモノ足りないセットリストではあったが。
そんな中、舞い込む朗報。
やはり期待通りに来た。林檎博。
此処ではがっつり【椎名林檎】を見せてくれるだろう。
20周年の椎名林檎が『あの日飛び出したぁぁ~』と1曲目に正しい街を歌ったとしたら・・・
創造しただけで心が高揚して、やはり此処でも死んだ。